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地方自治体 と 知的財産

「無料 イラスト」で検索して見つけたイラストを使ったのに、なぜ問題となったのでしょうか。どのような対策が考えられるか、他の自治体さんの事例を参考にしていただけると嬉しいです。


著作権

地図の利用(Googleマップ、国土地理院など)について、利用規約確認の必要性

  • 香川県 2016年に地図の無断利用が判明し、全職員にパソコンでの研修を促した(受講率は40%)。その後、2019年に再度同様の問題が発覚。地図のほかイラストやロゴも無断利用が見つかる。 → 毎年、著作権の研修実施へ。【参考サイト:朝日新聞記事

 

 

  • 宮城県、岩手県 2016年香川県の事例を受けて調査し、同様の問題が判明。これを受けて、青森県、秋田県、山形県、福島県も調査を実施。【参考サイト:産経新聞記事

イラスト無断使用(「無料 イラスト」で検索して利用し、問題となった事例)

  • 島根県浜田市 2019年12月 イラスト会社への損害賠償金約37万円の支払を表明。無断使用は、男女共同推進計画(2016年)における、地球上でこどもたちが手をつないだイラスト。【参考サイト:毎日新聞記事

オープンデータ

著作物とは、何でしょうか。思想感情の創作的表現です。そうすると、事実や、ありふれた表現は、著作物ではないことになります。

しかし、事実、ありふれた表現、著作物、は混在していることも多くあります。

そうすると、これは勝手に使っていいものなのかどうか、に躊躇し、必要以上にその利活用が妨げられる可能性があります。

そこで、各自治体等では、様々な取り組みがみられます。使っていい場合、使ってはいけない場合を、提供する側が表現することで、利用者側とのコミュニケーションを円滑にしていく取り組みに感じられます。

 

<オープンデータの状況(2020年1月18日、日経新聞)>

  • 660自治体で実施、1年で7割増
  • 達成率都道府県100%、市町村22%

 

【参考サイト】データシティ鯖江

【参考サイト】山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media)(広がりを企図して、共同開発契約書にccを付けた例)

図書館

東アジア初,公共貸与権の試行導入(台湾)

 

  • 試行期間2020年1月1日~2022年12月31日までの3年間
  • 公共貸与権とは、図書館での資料貸出しに対する補償を著者及び出版者に行う制度
  • 1冊の貸出しにつき、3ニュー台湾ドル(2020年1月6日現在では日本円約11円に相当)の補償が行われ、著者70%、出版者30%の割合で分配

著作権法には、著作者が、著作者の権利を独占することを前提に、その制限(利用者側からみると、許諾なく使用できる場合の条件)が定められています。

独占(原則、使用禁止)か、使用可能(法律による制限)か、0か100かの二択での調整は困難ですが、金銭を媒介とした中間的な制度が各場面で工夫・試行されています。

 

日本の著作権法35条の改正も、その例のひとつとみることができ、今後は、そのようなルールのデザインが進むものと考えられます。

法律や規約で定めておくことで、予め利用できる場合と条件が明確となり、個別の交渉や許諾を省いて活用できるため、双方にメリットがあります。

多くの事柄を日々大量に対応しなければならない自治体等業務において、とても有益です。

SNSの注意点

内部資料の写り込み

日本経済新聞2020/4/6付記事 資産税課職員の投稿について、市が謝罪〈新社会人のコンプライアンス入門1>

 

この入門シリーズ3は、著作権に関するものになっています。日々に纏わる法的注意点、法律と接している場面を、分かり易く解説されているシリーズとしてお勧めです。

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